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青山高原(三重県津市)

  • 執筆者の写真: 弓長金参
    弓長金参
  • 2023年5月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年7月21日

 三重県中部に位置する青山高原は、標高600~800mに15平方kmの広大な面積を誇り、関西の軽井沢とも呼ばれています。

 三重県の県庁所在地・津市から車で約1時間、ドライブウェイを通ると青山高原に着きます。標高756mの三角点が高台になっており、ここから伊勢湾を眺望できます。​

笠取山三角点からの眺望


 ここに日本最大の集合型風力発電所・ウィンド・ファーム(Wind Farm)があります。

 この高原にそびえるは、標高842m笠取山(かさとりやま)です。

笠が取れるほど風が吹く”の由来どおり、青山高原は滋賀県の琵琶湖から伊勢湾へと抜ける風の通り道です。

 平均風速7.6m/sになります。

 風速10m/sほどで歩きにくくなりますから、青山高原は風力発電に適した場所なのです。


 高台全体に整列する44基の巨大な風車群は、「株式会社 青山高原ウインドファーム」が管理する風力発電所です。


 当社は中部電力のグループ会社と、三重県の津市と伊賀市の地方自治体が共同出資して設立した、いわゆる「第3セクター」です。

 国・地方自治体の第1セクター、民間企業の第2セクターを足して2で割った、「半官半民」の会社となります。

 近年、NPO法人に代表される、非営利系の第4セクターと呼ばれる会社形態も増えています。


 2017年から起動し、発電量は95MWになります。

 高原の豊かな大自然に佇(たたず)む風車群は、遠方の霞む風景をバックに、幻想的な世界を醸し出します。​

笠取山三角点の風車群


 風力発電はエコ対応の素晴らしい電力ですが、風力でファンを回すときに発生する摩擦ロスから電力への発電効率が低く電気料金がかさんでしまいます。

 エネルギーの素・風力も自然任せで電力が安定せず、建設には広大な敷地を要するため、設置場所が限られるなどのデメリットから、日本では普及が遅れています。


 欧米では1880年代から風力発電の建設が始まっていますが、平地が少ない日本では1980年代に入ってから本格的に始動します。

 オイルショックの経験から、従来の化石燃料に替わる電力源が必要になったためです。

 現在では地球環境への配慮から、風力発電は再び注目されています。


​ 世界のウィンド・ファームを見ると、アメリカのカリフォルニア州にある「アルタ・ウインド・エナジー・センター(Alta Wind Energy Center)」の発電量は、1,550MWになります。

 現在、中国やインドでも風力発電開発が進んでいます。

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