読者ファースト:翻訳は中文日訳とは違う
- 弓長金参
- 2025年9月28日
- 読了時間: 2分
翻訳と中文日訳は似て非なるまったくの別物です。
通常の語学試験のように原文に合わせて逐語訳をすれば、翻訳として完全にアウトです。
原文は、中国人作者が中国人読者に向けて書いています。
言い換えると、日本人読者を想定していません。翻訳をするときは、日本人読者がわかるように、適宜、追記が必要です。
たとえば、原文にこういう文章があるとします。
駱賓王の「帝京篇」にも述べてある。
一応、表面的な意味はわかると思いますが、これをそのまま訳してはNGです。一般的な日本人読者を想像してください。“駱賓王”や“帝京篇”がわかるでしょうか。
わからないまま読み進めても、その内容に引き込まれることはないでしょう。

駱賓王は7世紀の初唐時代に活躍した詩人で、その詩が帝京篇になります。それらの情報を簡潔に追記しましょう。たとえばこんな感じです。
7世紀の初唐時代の詩人、駱賓王の詠んだ「帝京篇」にも述べてある。
加えて読みが特殊な駱賓王も、「らくひんのう」とルビを振るとよいでしょう。ちなみに“王”とありますが、王族ではなく賓王という名前です。
注記を加えるやり方もあります。
駱賓王※1の「帝京篇」※2にも述べてある。
※1:7世紀の初唐時代の詩人。※2:長安の繁栄を詠んだ駱賓王作の雑言古詩。
しかし、あまりにも注記が多いと、都度、注記に目を移さないといけないため、決して読みやすいとは言えません。それも考慮し、読者ファーストで原文をいじりましょう。


