人形浄瑠璃:兵庫県南あわじ市
- 弓長金参
- 10月31日
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500年続く淡路島の伝統芸能です。
16世紀初頭の元禄時代に竹本義太夫(たけもとぎだゆう)らにより、歌舞伎と並ぶ庶民の演劇として大いに賑わいました。

浄瑠璃や三味線に合わせて、かしらと右手を操る主(おも)遣い、左手を操る左遣いに両足の足遣いの「三人遣い」で人形を操ります。主遣いが一番のベテランで、次が左遣い、若手が足遣いを担当します。
人形の姿をすばやく替える「早替わり」や、平面の舞台を立体的に見せる「大道具返し」などの舞台演出が特徴です。
淡路島はこの人形浄瑠璃が盛んで、最盛期の18世紀には人形座が40座以上もありましたが、現在では南あわじ市にある「淡路人形座」1座のみになっています。

さて、人形浄瑠璃の代名詞といえば「文楽」です。
文楽は、淡路島出身の植村文楽軒(うえむらぶんらくけん)が19世紀初頭に大阪で人形浄瑠璃の芝居小屋を建てたのが始まりです。
人形浄瑠璃と文楽は基本的に同じですが、細かな違いもあります。
人形浄瑠璃の人形が文楽のものよりも、ひとまわり大きくなっています。これは文楽が自前の芝居小屋で上演をしたのに対し、人形浄瑠璃は旅先で建てた芝居小屋でダイナミックに上演をしたことによります。
大規模な芝居小屋では三千人も入るといいますから、観客にわかりやすい大ぶりな人形になったそうです。
演目も文楽が庶民の義理人情を描くいわゆる世話物なのに対し、人形浄瑠璃は源平合戦などの合戦ものが多いなどの違いもあります。


