みんなが知っている永遠のスター––「固有名詞」と「通称」に気をつけて––
- 弓長金参
- 2023年5月13日
- 読了時間: 2分
更新日:8月17日
東京のシンボルと言えば「東京スカイツリー」ではなく、やはり今も「東京タワー」でしょう。

東京都心の映像に東京タワーがないと、なんだかシックリきません。
東京スカイツリーが名実ともに東京のシンボルになるには、まだ時間がかかりそうです。
中国の上海市も、東京都心と同じ現象が起きています。
市内に“東方テレビタワー”と訳される、「東方明珠電視塔」があります。

東京タワーと同様に、電波塔として1994年に開業しました。上海市の映像に必要不可欠な建造物として、同市のシンボルになりました。
正式名称の「日本電波塔」より東京タワーが一般化したように、東方明珠電視塔もよく“上海タワー”と呼ばれます。
この名称をめぐり、近年ややこしい現象が発生しています。
2016年、632メートルの高層ビル・上海中心大厦が建造されました。

このビルの英語名称は「Shanghai Tower」です。つまり、このビルこそ正式な「上海タワー」になりました。
一方、長い間、東方明珠電視塔イコール上海タワーのイメージから、東方明珠電視塔は今でも通称・上海タワーと呼ばれます。
東京タワーと東京スカイツリーは名称が違うため混乱しませんが、上海市のシンボル・上海タワーは2つの建造物を指す状態になっています。

ネットで“上海タワー”を検索すると、2つの建造物がともに検出されます。
旅行会社などの公式サイトはOKですが、SNSの個人旅ブログは上海タワーがどちらの建造物を指しているのか、きちんと認識していない場合が多く、閲覧には注意が必要です。

